二足歩行の有用性 | 近未来研究所

二足歩行の有用性

最近の「猫も杓子も」二足歩行という風潮にはいささか食傷気味なので、二足歩行の有用性について考えてみた。

まず機動性という点で考えてみると、当然のことながら車輪を使った移動の方が断然有利だ。また車輪移動と言わないまでも、四足歩行にしただけで移動速度は格段に向上する。これは、ラムダとシグマの違いに見て取れる。(あとは人間と動物の差とか)

次に環境への対応。これは主に高さ方向にどう対応するかだが、先ずは下の画像を見て欲しい。


これは電動車イスなのだが、階段を上ったり二輪で立ち上がり人と同じ目線を得ることが出来る。使いどころとしては、先日発表されたテムザック の二足歩行ロボットに近いと思われるが、接地点が多いことを考えれば安全面では数段上である。(車輪でのバランス倒立についてはGINGER で有用性を立証済みである)

四足歩行の場合は更に有利になる。先の電動車イスの場合は、乗り越える高さにある程度制限があるのだが、四足歩行の場合は立ち上がることにより、より高い段差を乗り越えることが出来る。また狭い場所を通る場合、立ち上がって横歩きをすればいいわけだから、この点でも車輪より有利といえる。

これらのことから分かるように生活環境に於いて二足歩行の優位性を見出すことは出来ない。もちろん四足歩行での行動範囲を広げる為には、二足歩行の技術は必須となるのだが二足歩行に偏りすぎると思想の幅が狭まってしまう。

理想としては、四足歩行(前脚には収納式のマニピュレータ付)で四肢には車輪が備わっており高速走行が可能。(フチコマみたいな感じ)
それでいてイザというときには二足歩行も可能。ってとこかな。(欲張りすぎ?)

要するに必要に応じて変形すれば良いのだ。(ロボットなんだから)
技術者の方は「そんなに、なんでもかんでもやってられん」と言うかも知れないが、このくらい夢があってもいいと思う。





なんて言ってたら、タイムリーなニュース発見!
車輪と脚を地面状況で使い分け・千葉工大など新型ロボット





【ラムダとシグマ】
ルパン三世のテレビシリーズ最終回「さらば愛しきルパンよ」 に出てきたロボット。のそのそと歩く二足歩行のラムダに対し、四足歩行のシグマは蜘蛛の如きすばやい動きを見せた。
アニメを引き合いに出すのは妥当ではないかとも思ったが、ロボットが主題なので使わせていただいた。


【フチコマ】
攻殻機動隊で公安9課に配備されている小型の思考戦車。デザインベースは蜘蛛。原作ではフチコマだがテレビシリーズはタチコマ と改名されている。


【テムザック】
ロボット開発を主な業務としているユニークな会社。
テムザックの二足歩行ロボットについては、下記URLで詳しくレポートされています。(無断リンクすると怒られるのでコピペで飛んでください)
http://www.itmedia.co.jp/news/0311/21/nj00_robot_w.html